ぼくが適応障害と診断されたのが2008年のロサンゼルスで、そのご急いで帰国してから受けた診断はうつ病でした。
それから向精神薬といわれるトレドミンを摂取してはじめて、最大処方量の100mgを3年ほどかけてゼロに減らしました。
つまり、発症から3年ほどかかってやっと、うつ病を克服といえる段階にまで回復したといってもいいでしょう。
このブログでは「当時の症状」や「回復にむけ実践したこと」など色々と書いてきたので、記事を見つけやすいようにまとめてみます。
うつ病で苦しんでる人だけじゃなく、その家族や友人、職場での同僚、いろんな形で実態のつかみづらい「うつ病」という病気を知りたい方もいるでしょうから、すこしでも誰かの役にたれば幸いです。
うつ病経験者のひとつの体験談として参考にしてみてください。
僕がうつ病になった原因と経緯
2005年から新卒で働いていた会社(乳製品の専門商社)から、2008年にロサンゼルスの駐在所に研修生として派遣されました。
そこでの激務と慣れない環境から過度のストレスを感じて適応障害を発症、それから日本にすぐ帰国して、正式にうつ病と診断されます。
わけも分からず毎日涙がでるほどのツライ原因がわかったことで安堵はしたものの、ここから長い長いうつ病との戦いが始まったんです。
うつ病になってからの状況はこの通り、休職と復職をくりかえして仕事を辞めています。
- 2008年11月:うつ病を罹患
- 2009年2月〜3月:休職
- 2009年4月:復職
- 2009年6月〜2010年12月:休職
- 2011年1月:復職
- 2011年11月:退職
うつ病のときに感じてたこと、やってたことを、下の記事で時系列にそって書きました。
どういった流れで体調が変化していったかわかると思います。
⇒ うつ病で休職と復職をくりかえして仕事を辞めた!時期と期間をくわしく解説
実際に現れた症状
うつ病になると、なにもやる気が起きないだるさ(倦怠感)や頭痛の他にも、いろいろな症状が出ることがあります。
僕の経験でもこれだけありますね。
- 倦怠感
- 眠気
- 集中力の低下
- 頭痛
- 不眠
- 赤い斑点
- トラウマとフラッシュバック
などなど。
ほかには道路を歩いてたときに、心臓あたりに耐えられない刺すような痛みに襲われたことがあります。
突然なんの前ぶれもなく痛みだし、その場でしゃがんでしばらく耐えてると1分ほどでおさまったので、慌てて病院に駆け込みました。
精密検査をしても異常はなく、原因がわからないためストレスという診断に。
さすがに心臓らへんだったので怖いですよね。
これだけじゃなく、ストレスが溜まると親指のつけ根に赤い斑点がでてくるなど、人によって症状はさまざまなので、うつ病の症状はこれ!と決めつけることなく、柔軟に対応することが大切です。
うつ病だからというよりも、ストレスが原因で起こる症状も多いです。
それだけストレスに敏感な状態で、ストレスへの対処がヘタなのかもしれません。
克服に向けて意識した3つのこと
うつ病を治すには、基本的には投薬と休息がとても大切になります。
ぼくは医者ではないので詳しいことはわかりませんが、「基本的に」と書いたのは、医学的にも解明されてないことが多々あるなかで、「薬は必要ない」「好きなことだけやってれば良くなる」といった意見もあるためです。
うつ病になった人の話でも、一般的にはしないほうがいいと言われる大きなストレスやプレッシャーがかかることで、「症状が劇的に良くなった」といった話もあります。
ただし、薬が気分の落ち込みを防ぐセロトニンの吸収を助けることは確かですし、症状の大きさにもよりますが、個人的に投薬は絶対に必要だと思います。
うつ病といっても軽度から重度まで幅広くありますので、それほど重くないうつ状態〜軽度のうつ病であれば、薬なしで日常生活に注意するだけで回復することはありそうです。
ぼくはトレドミンという薬を100mgから3年かけてゼロにまで減らしていくなかで、減らしすぎたことで明らかに体調が悪くなったことがありました。
頭の中はどんよりと雲がかかったように重くなり、なにをしても集中力がつづかない。
そう感じたため医者に状況を伝え薬の量を戻したところ、体調もそれにともなって良くなったんです。
このことからも、うつ病は自分に合った量の薬の摂取がすごく大切だと学びました。
では「投薬して休息をとっていれば克服できるか?」というとそう単純なものでもなく、ふだんの生活から気をつけてたこと、やってみたことは多々あります。
ここでは僕が病気にときにやっていたこと含めて、うつ病の克服に有効なことを種類別に分けて説明していきます。
- 規則正しい生活
- 気分転換
- 食べ物
いきなり全ては無理でしょうから、すこしずつ日常生活に取り入れて、自分の体調を自分で管理できるようにしていきましょう。
規則正しい生活
うつ病を回復させるためには、早寝早起きして規則正しい生活をおくることが大切です。
ただし、うつ病の代表的な症状のひとつの不眠により、夜に十分な睡眠を取れない方は多いです。
不眠は朝日を浴びる機会を減らしセロトニンの分泌量を減らすので、毎日決まった時間に寝て起きることで体のリズムをコントロールできるといいですね。
早寝早起きで朝日を浴びて体内時計をリセットし、朝の散歩やランニングを日課にするのも有効です。
気分転換
うつ病の人はネガティブ思考に陥りがちなため、空いた時間におもいっきりリラックスできる方法を持っておくのがオススメです。
仕事の合間にもできる気軽なものから、休日や休職中にじっくりと取り組めるものまで、自分に合ったストレス発散法を知っておくことは大切です。
とはいえ、「自分に合ったリラックス法をもういくつも知ってるよ」という方はいいですが、あまり持っていない人もいるでしょう。
それに気分転換できる趣味があったとしても、同じことばかり続けてると気が滅入ってくるものです。
そこで、ぼくは1年半以上にわたる休職中にいろいろと試したので、リラックスできそうな方法を並べておきますね。
「面白そうなだな」「楽しそうだな」と感じたものは積極的に試して、ぜひ新しいリラックス法のひとつに加えてみてください。
ストレス発散法は絶対に多いほうがいいです。
- 朝日を浴びながら散歩する
- 恋愛やドキュメンタリー映画で泣きまくる
- ヨガや瞑想で内面に心を向ける
- 好きな音楽を聴きながら、ランニングやトレーニングで汗を流す
- 途上国で活動するNGOへの寄付で社会貢献する
- 孤独感を埋めるために、チャベリやニコニコ動画を利用する
- 英会話スクールで人と話して孤独感をなくす
- 寝る環境をととのえて、毎日の睡眠の質をあげる
- 疲れたら休む、お腹が空いたら食べる、眠くなったら寝る
せっかくなので、これもひとつずつ見ていきましょう!
朝日を浴びて散歩
朝日を浴びることで体内時計がリセットされるだけじゃなく、サンサンと照りつける日光を浴びることで体内にセロトニンが分泌されます。
散歩は軽い運動でつづけやすいので、しっかりと朝起きて近くの公園まで行くとか、日常生活に組み込むといいですよ。
20〜30分ぐらい歩くだけで、身も心も軽くなります。
ただし散歩といっても慣れるまでは疲れるので、戻ってから二度寝したり、あとで昼寝するのもアリですね。
体力がもたないのは仕方ありません。
すこしずつ体をつくっていけばいいだけです。
映画で泣く
泣くことはストレス発散に効果抜群です。
科学的にも涙にストレス物質が含まれることが解明されている?ようなので、いつでも泣けるような本や映画を持っておくといいですよ。
人前で泣くのが大丈夫なら映画館で恋愛映画とか観てもいいでしょうし、人前はちょっとという場合でも、自宅なら人の目を気にすることなくギャンギャン号泣できますからね。
べつに本や映画じゃなくて、過去の思い出やツライ経験とかでも何でもいいので、ふだんから泣く習慣をつくっておくとストレスが溜まりにくいです。
ちなみに僕が必ず泣く映画は「火垂るの墓」と、ニコラス・スパークスの恋愛小説や映画です。
ニコラス・スパークスは「きみに読む物語(原作:The Notebook)」「親愛なるきみへ(原作:Dear John)」あたりがツボです。
ヨガ・瞑想
心を整えるのにヨガと瞑想は有効です。
意識を身体の一部や内面に向けることで、驚くくらい頭がスッキリするのを感じられますよ。
僕は意識して瞑想を毎日するようにしていました。
必要な道具なしでどこでもできるため、やりかたさえ覚えてしまえばあとは楽チンです。
頭の中がごちゃごちゃしてきたときに、少し意識を集中させるだけで悩み事が解決しやすくなります。
ランニング・筋トレ
心と身体はお互いにつながっています。
心が疲れたときこそ適度な運動をして、身体に栄養を与えましょう。
それが結果として心の健康につながります。
ランニングができなければ散歩でもいいし、ジムで筋トレするほど元気がなければ、自宅で腕立て伏せや腹筋を数回やるだけでも大丈夫。
それだけで効果はありますよ。
毎日やるのがツラければ週1回からはじめたっていいでしょう。
むしろいきなり毎日なんて無茶なので、すこしずつでも継続することが大事です。
音楽を聴きながら運動することでリラックスしやすいですが、交通量が多い道路などでの使用は避け、安全な場所でのみ使うようにしてくださいね。
NGOで途上国に寄付
うつ病になると、社会から隔離された気持ちになることがあります。
ぼくのように2年近くも休職すると、誰とも話さない期間が続くことも多いですし、自分の存在意義や社会とのつながりを一切感じられないこともよくありました。
友達、家族などと密に連絡を取り合う関係であればまだいいですが、うつ病は集中力が持たずにすぐ疲れますし、なかなか思うように人間関係が築けないことも多々あります。
自分の居場所、必要意義を感じられないのもしょっちゅうですからね。
そんなときに僕がやってたのは、途上国支援のNGOに毎月寄付することです。
なかでもワールドジャパン とプランジャパンは、支援者ひとりに対して現地の子どもがひとり割り当てられ、その子から手紙や絵を受け取ったりと交流が持てます。
まだ読み書きができない子の場合は親や兄弟、姉妹がかわりに手紙を書いてくれることもあり、しかもNGOスタッフが英語に訳してくれるので意思疎通も問題ありません(日本語にもしてくれたかは不明)。
僕はエチオピア(アフリカ)、エクアドル(南米)の子どもたちとやり取りし、ふたりの写真ももらえたので、ずっと部屋に置いておきました。
いま思うと、ぼくは毎月お金を寄付するという行為で、彼らから、そしてNGOから暖かい気持ちと社会とのつながりをもらっていたんだと感じます。
この図は1年半の長期休職が終わってリハビリ出社中だった2011年3月に作ったもので、うつ病だった当時の僕にとって、なにが大切なのか、なにが心の中にあるのかを考えて書き出したものです。
赤い3つの丸が、僕が精神的にすごく支えられてたものとエネルギーを傾けてたもので、青丸が人間関係、緑丸が趣味などのリラックス方法といったところです。
これを見ると国際協力=NGOへの寄付がどれだけ大切だったかがわかりますね。
いま思い出しても、ワールドビジョンやプランジャパンへの寄付を通じたチャイルドとのやり取りがなければ、心はもっと病んでいたかもしれないと思います。
参考:ワールドビジョンのチャイルドスポンサーを2年続けた感想と評判レビュー!寄付で社会貢献できておすすめ!
SNSを利用する
これも、うつ病の孤独感をやわらげる方法になりますが、ネット上で誰かと会話したり、動画のコメント機能などで時間を共有することです。
うつ病はまわりに話しても理解されにくいですし、よき理解者がいたとしても、結局のところうつ病になったことがある人でないと、やっぱりわからないと思うんですよね。
そういった意味でもツイッターで似た境遇の人たちとつながったり、チャベリで精神科に通ってる人たちの部屋で話したりできるのは、すごく気持ちが落ち着きました。
孤立感を埋めるのにも役立ちます。
最近は発信者と動画の種類が増えてきたので、さらに親近感がわくYouTubeもいいでしょう。
英会話スクール
休職中はずっと一人で孤独だったこともあり、人と話す練習をかねて英会話スクールに通いました。
体調には気をつける必要があったため、毎回好きな時間に予約ができて講師も選べるマンツーマンのGabaを選びました。
英会話を学びたかったのと、体調が良いときだけリハビリをかねて通うことで、対人関係の良いリハビリになりましたね。
驚くことに、この英会話スクールで出会った女性とお付き合いして、そのご結婚しています。
人生とは本当に何があるかわからないものです。
睡眠の質をあげる
うつ病と不眠は切っても切れないので、できるだけ睡眠の質をあげることは大切です。
寝るまえに温めた牛乳を飲む、アロマを利用する、スマホやパソコンを使わない、電気は薄暗くしておくなど、自分にとってどうやったら熟睡できるのか色々と試してみるといいでしょう。
ベッド、マットレス、まくらを変えてもいいですし、夜や早朝の朝日をさえぎるための遮光カーテンを使うのもひとつの手です。
逆に、朝スッキリと目覚めるため、音の代わりに光で起こしてくれる光目覚まし時計もあります。
眠いまま日中を過ごすのはツライので、睡眠の質をできるだけ上げて、早寝早起きを心がけたいですね。
休む、食べる、寝る
「これができれば苦労しないよ」という声が聞こえてきそうですが、身体は正直です。
疲れて眠いのは休息が必要なサインですし、お腹が空くのは身体がもっと栄養素を欲しているか、食べることでストレス解消しているためです。
疲れたら休む、お腹が空いたら食べる、眠くなったら寝る
こうした欲望にはできるだけ従いながら、原因となるストレス要因を取り除いていくといいでしょう。
食べ物
(準備中)
これ以外にも僕が試してみたことは、ここで書きました。
⇒ 【体験談】うつ病と診断され2年休職した僕が、克服のためにやった13個のこと
うつ病とお金
休職中は傷病手当て制度を活用して金銭面はどうにかなっていました。
旅行にいったり、ひたすら休んだりもしてたので、周りからみたら病気とはわからず、仕事もせずに自由に遊んでたようにも見えるかもしれません。
実際には将来への不安とかがハンパなかったんですけどね。
ここでは休職中にどうやってお金と向き合うか、生活費や家賃などお金の工面をどうすればいいのか書いていきます。
傷病手当金をもらう
会社に勤めてる人は病気やケガで一時的に働けなくなった場合、傷病手当金がもらえます。
仕組みや受給条件などは全国健康保険協会(協会けんぽ)の公式ページに掲載されてるので見てもらえればと思いますが、ざっくりいうと毎月給料の3分の2ぐらいのお金を最大1年6ヶ月間ほどもらえます。
僕はこの制度を利用して1年6ヶ月のあいだ、療養に専念できました。
貯金を使う
働いてた会社は給料が良かったので、病気が発症するまでにある程度の貯金がありました。
それに加えて休職中は上記の傷病手当金をもらっていましたし、復職して11ヶ月後に会社を辞めたときには退職金ももらえました。
なので、貯金を切り崩す生活だったとはいえ、退職後すぐに働かなきゃいけない!といった焦りがあまりなかったのは病気療養にプラスだったと思っています。
節約する
貯金を切り崩す生活は結構しんどいもので、スーパーでは弁当や生鮮食品が半額になる夕方に行きましたし、冷暖房をあまり使わないようにするなど、できるだけお金を使わない生活を心がけました。
そんななか少しでもお金を稼ぐため、一人暮らしの家にある不用品や、兄弟が処分に困っていたバイクなどをヤフオクや買取業者を利用して売りましたね。