巷でよくきくフレーズがあります。
うつ病は心の風邪!
体験した人にききたいんですが、これって「その通り!」って人います?
誰でもかかる身近な病気ってことを表現しているんでしょうが、体験したぼくからするとメチャクチャ生ぬるい表現だと感じるわけですよ。
風邪のようにすぐに治る病気でもないし、表面上は健康な人とかわらないから治療中もズカズカといろんなこと言われるし。例えると、他人が訪ねてきて、家じゅうを勝手に土足で歩きまわられるようなもの。ぼくの心のなかを次々によごしていくのです。
しかも、それが何年も何十年も続くわけですよ。一度よくなったからといって再発もするし(←わかりやすいので使いましたが、ぼくは再発って言葉は嫌いです。一度うつ病になった人は体調管理には必要以上に気をつける必要があり、ある意味うつ病とは一生涯つきあっていく病気だと思っているからです)、いまだって公に話をすることで冷めた目でみる人もいます。「まわりにはあまり話さないでね」という身内だっているわけです。
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ただですよ。
そんなことを言われても、「知らんがな!」っと思うわけです。ぼくにとっては経験した病気。そして、その病気は以前とは形をかえてぼくのなかに住みついている。そして、形は違えど、一生涯つきあっていくと思っているわけです。
後頭部(首の裏あたり)がズキズキ痛くなる。
左手の親指付け根に赤い斑点がでる。
ストレスの程度がぼくの許容範囲の上限に近づくと、今でもそんな症状がでてきます。もしかしたら一生続くのかもしれません。
この症状がでたら、毎回のように恐怖に震えます。もう二度と昔のような状態には戻りたくない。そう感じているのでしょう。ただ、ストレスが溜まるとそのような症状がでてくれるので、考えようによっては、わかりやすいサインとも言えます。頭が痛くなったら休む。赤い斑点がでたら休む。これは絶対に守っています。
ぼくは、うつ病は一生完治することのない病気だと思っています。医者や専門家はよく完治という言葉を使いますが、うつ病は病気が治るということはないと思うのです。
ではなにかというと、
「完全に治ることはないけれど、症状はコントロールできる病気。」
コントロールの仕方次第では健康な人となにも変わらず、普段の生活に支障がでることもない。それを完治と呼ぶ人もいるのでしょうが、どうしても一度かかった人は再発のリスクが高いのです。
だったら考え方を少しかえて、うつ病という病気は常に自分のなかにいて、一緒に過ごすパートナーぐらいの気持ちでいいのだと思います。その方が気持ちに余裕がでてきますし、なにかあったときの対処もしやすいでしょう。
そのあたりの感覚をよく表してるのがWHO(世界保健機関)のこの動画。以前にも掲載しましたが、よければご覧ください。
ごめんなさい。あらためて確認したら、非公開になってました・・・
それと、勘違いしないでほしいことがあります。
うつ病になったことで失ったものは数多くありますが、それ以上に感じるのは、二度と経験できない貴重な体験をしたということ。さまざまなことを学ぶ良い機会であったこと。逆にいえば、それまでの自分は無知だったなぁとも感じるわけです。
人生観といっては大げさですが、それまでの生活では絶対に見えなかった世界が見えるようになりました。うまく言い表せなくてあれなんですが、いままで疑いもしなかった価値観が見事に崩れさり、自分のことを多方面から客観視できるようになったとでもいいますか。。。
ん~、言葉にするのが難しいなぁ。。。
ただ、自信をもって言えるのは、今までなかなか感じることのできなかった「生きることの素晴らしさ」を感じれるようになったこと。
生活の一瞬一瞬は二度とはやってこない貴重な時間で、当たり前なのに忘れがちな大切なこと。ふとした瞬間に病気のことを思いだし、この「大切なこと」を忘れちゃダメだよと教えてくれるのです。
いま苦しんでいる人は、自分の存在価値を問い続けたり、世の中の不平等さをなげいていたり、本人さえも気づかないところで精いっぱい病気と闘っていることだと思います。
決して無理だけはしないよう、これでもかというぐらい慎重に、自分と向き合ってほしいと思います。