ぼくは新卒で入社した乳製品専門の輸入商社に勤めていました。
そこは乳製品だけで50名ほどが働く、以前に倒産(民事再生法)した食品専門商社「東食」の乳製品チームが一丸となり独立した会社。
チーズやバター、国内産乳製品などが各部署ごとに分かれていました。
そのなかでぼくが配属されたのは国内乳製品とWPC34やWPC80といったホエイ(プロテイン)の取引が多い部署で、比率的には国内品と海外品の扱いがちょうど半分になるようなチームです。
乳製品のマーケットは不安定
基本的に乳製品は世界のマーケットが2、3年周期で上がったり下がったりする不安定な業界です。
あるていどの数量をつかう製菓やチョコレート会社、乳業メーカーには国産と外国産の両方をつかえるようにしとくのをオススメしています。
あらかじめ製品の品質の評価をしていないと、食品ということもあり、すぐに社内でつかえるレベルか評価ができません。
最低、検討しだしてから使用OKになるまで数ヶ月はかかるでしょう。
食品は大腸菌や重金属など、各企業ごとに品質基準が決められていて、それに見合った原料だけを調達するから、評価にはどうしても時間がかかるのです。
ちなみに、このあるていどは、月1コンテナ分(18トン)かなぁと。ぼくの感覚だとそうおもいます。
海外からは20フィートのコンテナで輸入することが多く、粉ものの場合は1コンテナあたり18トンぐらいになります。
だから契約も18トン、36トン、54トンと、コンテナ単位ですることがほとんどです。
参考:元「商社マン」らしく、業務用乳製品について書いてみた。WPC34、乳糖、カゼインなど、お菓子やチョコレートには一般的には知られてない輸入原材料が含まれてます。
ホエイ(プロテイン)の世界情勢
ネット上で公開されてるので、載せてもいいでしょう(PDFファイルです)⇒ 乳製品情報(2011年7月号)。この5ページ目のホエイとカゼイン欄は僕がかいてます。名前がありますね。連名になってるのは後輩に教えながら書いたから。
ひさしぶりに見たらリンク切れに変わってました。
ん〜、このブログみて削除されたのかな…まいっか。
こういったマーケット情報を毎月お客さんにだしてて、参考にしてる方も多いんです。
ライバルの三菱商事や伊藤忠のものを内緒で取引先からみせてもらったこともありますが、乳製品の情報をここまでページ数さいて書いてなかった気がしますからねぇ。
こと乳製品にかんしては、業界じゃスゴイ会社でした。
B to Bの業界から離れて目にすることは皆無ですが、いまおもうと随分と貴重なことをしてたのがわかります。
世界の乳製品にかかわる最新情報を、記事にするためにタイムリーで拾ってましたから。
情報集めはうまくなったよなぁ。
参考:アイスクリームには大量の粉乳「通称:ダップン」が使われる!アイスが美味しい季節になったので「乳製品の輸入商社マン」だった僕が解説しよう
スポンサーリンク
めまぐるしい情報変化に対応する環境
毎月のように大きな変化がある乳製品市況では、海外の状況を常に頭にいれておくことがすご〜く大切です。
そしていざ外国産を契約するときには為替が影響するため毎日為替をチェックするのも必須で、乳牛といった生き物相手なことに加えて為替動向にも一喜一憂しなきゃいけない職場でした。
さらに国内のお客さんと海外のサプライヤーの中間で、両者の調整役を担うのが輸入商社です。
とくに海外のサプライヤーは日本のような「お客様は神様だ」的な考えは一切もってないので、日本のサプライヤーとおなじように接すると全くもって相手にしてくれません。
おかげで顔色をうかがうのがうまくなりましたね(笑)
ちなみにサプライヤーというのは、乳製品の供給元、つまりはホエイパウダーなどの製造業者です。
とにかく、ストレスが溜まる環境だったといえるでしょう。
その結果ぼくは鬱病を発症するにいたったわけですし…笑
おもいだしたら頭痛がするので、このへんで。
また機会があれば、書きますね。
ではまた、チャオ!