ここではイラストや絵を売る最も有効な方法として、ネットでのダウンロード販売を見ていくことにします。
ほかにもネットショップや展示会(イベント)で作品を売ることもできるとはいえ、うまくいく人は限られてますし費用もかかります。一方、ほぼノーリスクで試せるダウンロード販売は魅力的な売り方ですね。
目次
イラストのダウンロード販売
イラストや絵の販売は、ネットショップで売るにしても受発注業務や商品の発送が必要です。当然売れれば嬉しいし利益にもなりますが、雑貨や小物など単価が低い商品だと大量に販売しないと利益は積み上がっていきません。
売れれば売れるほど作品制作以外の受発注業務や商品発送に追われ、働いてる割に利益にならない状態に陥ります。これを解消するひとつの方法がダウンロード販売です。
ダウンロード販売とは
ダウンロード販売は、ネット上に商品(写真、イラスト、絵、音楽など)をアップして、それを欲しい人が代金を支払うとダウンロードできるシステム。とくに音楽では一般的になりましたね。
つまり、商品が売れても受発注のやりとりはなく、商品を発送する手間もかかりません。それにダウンロードで商品の受け渡しが終わるため、日本だけじゃなく外国への販売も比較的簡単です。
一度アップして売れる商品や仕組みがあれば、販売者が放っておいても利益になります(質問があったり、オリジナルの作成依頼があったりするので、完全放置とはいきませんが)。
自動で営業活動プラス販売してくれるので、僕らはそのあいだに新しいイラストを描いてもいいし、映画館でポップコーンを食べながら映画鑑賞することだってできるわけです。
ダウンロード販売のコツ
ただし、ダウンロード販売にはダウンロード販売ならではの売れる傾向と方法があるので、そのあたりはご自身のイラストの方向性とどのプラットフォームを利用するか、といったあたりも大切になってきます。
当然ながらただ描いたものをアップすれば売れるというわけではなく、ユーザーが求めるイラストはどういったものか、どういう需要があるのか、それを自分が描けるのか。そうした試行錯誤は永遠とつづけていく必要があります。
ときには自身が心底描きたいと思うものではなくても、それを求める人がいるから自分の気持ちと折り合いをつけながら続けていくこともステップアップには大切です。そのあたりは人それぞれなので、どうやっていくかはたまに時間を見つけて考えるといいでしょう。
ダウンロード販売のプラットフォーム
イラストや絵をダウンロード販売するときに利用したいプラットフォームを見ていきます。僕が利用したものは、実際に使ってみた感想や印象もいれますね。
- シャッターストック(Shutterstock)
- istock
- ピクスタ(pixta)
- R123
- Etsy
- Stores.jp
- BASE
販売する立場でのオススメ度は星の数で表したので参考にしてみてください。ただこれはあくまでも趣味レベルでイラストを描きつづけてた僕の感想です。写真(イラストではなく)だと状況が違うでしょうし、イラストでも具体的なモノを描くのか、抽象的なアート寄りか、それぞれの立場でかなり変わってくるはずです。
シャッターストック(Shutterstock)
オススメ度:★★☆ 難易度:★★★
イラストのダウンロード販売できるプラットフォームで世界最大級なのがここ。シャッターストックは写真素材に強い印象が強いですが、イラストも豊富です。1年以上にわたり利用した(いまも利用中)印象を書いていきます。あくまでもイラストを売るという視点です。
コメント:写真、イラストともにプロ仕様で高品質。ただし売れても1点あたりの単価が低い。高単価の商用利用での販売や、ポートフォリオ的に使いオリジナルの依頼を取り付けるのが最適。イラストよりも写真のほうが需要ある印象。が、商用に売れると単価がグイッと跳ね上がることも。
写真、イラスト、動画を扱う世界最大級のストックマーケットで掲載数も膨大。プロの有料写真を探すときに真っ先にココを思い浮かべる人もたくさんいます。
高品質の写真やイラストがいっぱい。利用者視点では使いやすい
ただし、それだけ知名度が高いため競争も激しく、プロのデザイナーやイラストレーターが多い印象。写真やイラストを販売するときに運営側の品質やオリジナリティの審査(チェック)があるため、とにかく高品質の素材がいっぱいです。そうした運営方針からか利用者からの指示は絶大だと感じます。
僕は風景写真を数点、白黒のシルエット画像を数点だけ購入したことがありますが、とにかく高品質の素材が大量にあるので、イメージに近いものがまず見つかります。それだけ量があって迷うため、探すだけでかなり疲れてしまうんですけどね。贅沢な悩みです。
クリエイター側視点では、実力派が多く競争が激しい
一方、僕はシャッターストックでイラストの販売もしています。いま数百点を掲載して毎日いくつかダウンロードされてはいるものの、開始当初は1点ダウンロードされるごとに25セント(25円ぐらい)にしかなりません。それなりにまとまった数量が売れてからは単価が10円ぐらい上がりましたが、それでも微々たる収入にしかなってないです。
最近は新しいイラストをアップしてませんが、それでも毎月5000円ぐらいの収益になっています。
どうしてもプロのデザイナー、イラストレーター、写真家(フォトグラファー)が活躍してるため、競争はかなり激しい。それに加えクリエイターに還元される単価はかなり低いため、趣味レベルでやってる人たちには厳しめ。
が、いまチェックしたら、なんと1つのダウンロードが8千円ぐらいになってた!
1回のダウンロードでこの値段。通常は25円ぐらいなのにその300倍以上です。いままでも時々4000円とかになったことはありますが、ここまで金額が高いのは初めてでテンションが上がります。
確認しないと詳細はわかりませんが、商用ベースで売れた場合、このように金額が跳ね上がることがあります。こうした商用ベースの写真やイラストを何個も販売できれば、かなりの売上と利益になりますね。
売れると自信になる
でもシャッターストックの良い点は、こうした人たちと競争するので、毎日売れるようになると自信がつきます。
僕は美術大学(美大)や専門学校にも行ってないため基礎がなく、いままで自作のイラストに自信がありませんでした。にもかかわらず、はじめて挑戦したダウンロード販売のシャッターストックで少しずつ売れるようになり、それとともに自信もつきはじめました。この経験があったからこそ、ほかのプラットフォームに挑戦してうまくいかなくても続けられています。
まわりのダウンロード販売に失敗してる人を見てて感じるのは、諦めるのが早い。これに尽きます。1ヶ月、2ヶ月と全く売れなくても、まずは続けること。うまくいかないなら別の方法を試すか、描くイラストの中身を多少アレンジしてアップしてみるか、いろいろと試行錯誤しながら進むしかありません。